1902年のノーベル化学賞は、プリンと糖の研究業績により、Hermann Emil Fischerが受賞した。
フィッシャー(Hermann Emil Fischer)
1852.10.9~1919.7.15
ドイツの化学者
生体構成物質の構造の解明と合成が生涯にわたる彼の研究テーマであった。1881年にはカフェイン、尿酸および関連物質の研究をはじめ、最初のヌクレオチドが合成された1914年まで続けられた。1900年までにプリンをはじめとする約130の誘導体の構造決定と合成を行っている。1884年からは糖類の研究をはじめ、1891年までに、ファント・ホッフの立体仮説から考えられるグルコースの立体異性体16個のうち13個を合成により確認し、立体化学説を実証した。これに関連して考案されたフィッシャー投影式は現在でも広く利用されている。また、糖を分解する酵素についても研究し、1894年には酵素と基質が鍵と鍵穴のような関係にあると予測した。1899年からはタンパク質の研究をはじめ、アミノ酸の分離と合成、ポリペプチド合成などの研究を行った。門下生の一人にビタミンの研究で知られる鈴木梅太郎がいる。