1906年のノーベル化学賞は、フッ素の研究と分離、およびモアッサン電気炉の製作により、Ferdinand Frederick Henri Moissan が受賞した。
モアッサン(Ferdinand Frederick Henri Moissan)
1852.9.28~1907.2.20
フランスの化学者
1884年からフッ素の単離に取り組み、1886年には初めてフッ素を作り出すことに成功した。これは、白金製のU字形電解槽に無水の液状フッ化水素を入れ、これにフッ化水素カリウムを溶かし電導性を与え、白金電極を用いて低温で電気分解を行うという方法であった。彼は人工的にダイヤモンドを製造しようと試み、その過程で、大電流を用いたアーク放電により約3500℃まで加熱できるモアッサン電気炉を考案。高温化学の分野を開拓し、炭化物、ホウ化物、ケイ化物など、融点の高い物質の研究や合成を行った。1894年にはカルシウムカーバイドの製造法を発見し、石炭化学の基礎を築いた。