1913年のノーベル化学賞は、分子内の原子結合を研究し、無機化学に新たな分野を開拓したことにより、Alfred Werner が受賞した。
ウェルナー(Alfred Werner)
1866.12.12~1919.11.15
スイスの化学者
主原子価や側原子価の概念を提出し、1893年には無機化合物の構造について配位説を発表した。アンミン錯体の幾何異性の存在の発見が配位説を裏付けた。この配位説によって複雑な錯塩の立体構造を説明し、無機化合物の異性現象、特に光学異性体の説明が容易となった。1911年には不斉炭素原子を含まない鏡像異性体錯体を合成し、その光学分割に成功している。動脈硬化症により53歳の若さで他界した。彼は「化学は分子世界の天文学とならなければならない」という名言を残している。