アメリシウム(americium)
原子番号 95
1944年にアメリカのカリフォルニア大学バークリー研究所のチームが、プルトニウム239の原子核に中性子を照射させてプルトニウム241を得、生じたプルトニウム241がβ崩壊することで95番元素を得た。元素名は類似の電子配置をもつランタノイドのユーロピウムが、ヨーロッパにちなんで命名されたことから、発見国のアメリカにちなんで命名された。1951年にはAmF3をバリウムで還元することで金属を単離した。
原子力発電所ではプルトニウム241がβ崩壊することにより、アメリシウムが大量に生成される。水溶液中では酸化数は+3、+4、+5、+6をとることが知られている。融点は約1172℃、沸点は約2607℃。アクチノイド。安価に得られるため、厚さ計、煙探知機、蛍光X線源として広く用いられる。煙探知機では質量数が241のものが用いられるが、日本では2004年の法改正によりアメリシウム241の規制が3700kBqから10kBqに変更されており、使用されなくなってきている。