キュリウム(curium)
原子番号 96
1944年にアメリカのカリフォルニア大学バークリー研究所のチームが、プルトニウムの原子核にα粒子(ヘリウムの原子核)を衝突させることによって98番元素を合成した。元素名は放射能研究で有名なCurie夫妻にちなむ。1947年には水酸化物として純粋な化合物が単離され、1951年にはCmF3をバリウムで還元することで金属を単離した。
水溶液中では酸化数+3、+4が安定。融点は約1340℃、沸点は約3520℃。アクチノイドである。2011年の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故の際には、付近の土壌から検出された。キュリウムは月面探査機Surveyorや火星探査機Opportunity、Curiosityなどで元素分析装置のα線源として利用された。また、原子力電池のα線源としても利用されたが、現在ではプルトニウムが主流となっている。