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ウラン U

ウラン(uranium)

原子番号 92   原子量 238.0

m.p. 1132.3℃   b.p. 3745℃

密度 18.95(g/cm3)

 

単体は銀白色の金属。アクチノイド。最初に発見された放射性元素。1789年ドイツの化学者M. H. Klaprothがピッチブレンドの中から発見した。1842年にはフランスの化学者Eugène-Melchior PéligotがUCl4をカリウムを用いて還元し、金属を単離した。1896年にはフランスの物理学者Antoine‐Henri Becquerelがウラン鉱石からでる放射線を発見した。主要鉱石は閃ウラン鉱やカルノー石である。1781年に土星の外側に発見された新惑星である天王星(Uranus)にちなんで命名された。天然にはウラン234(0.0055%)、ウラン235(0.720%)、ウラン238(99.275%)が存在する。

 

1830年頃には、着色料として微量のウランを混ぜたウランガラスが製造された。黄色や緑色のガラスで、紫外線を当てると蛍光の緑色に発色する。α線はほとんどガラスを透過できないため、放射線量はごくわずかである。ウラン235は核燃料に用いられるが、天然の存在比はわずかなためUF6の遠心分離などにより分離し、ウラン235が3%以上の濃縮ウランとして利用する。また、原子爆弾の材料としても使われ、広島に投下された原子爆弾(Little Boy)はウラン235を用いたものである。