サマリウム(samarium)
原子番号 62 原子量 150.36
m.p. 1077℃ b.p. 1791℃
密度 7.52(g/cm3)
単体は灰白色の金属。ランタノイド。1879年にフランスの化学者P. d. Boisbaudranがサマルスキー石から発見した。元素名はサマルスキー石(samarskite)にちなむ。空気中で酸化され、高温では燃焼してSm2O3となる。水とは徐々に、酸とは速やかに反応して水素を発生する。サマリウム147はサマリウム-ネオジム年代測定法に用いらる。サマリウムコバルト磁石は強力な永久磁石である。
サマリウムコバルト磁石
日本で工業化に成功した最初の希土類磁石である。サマリウムとコバルトを主成分としている。ネオジム磁石には劣るが、強力な永久磁石である。鉄を主成分とするネオジム磁石よりも錆びにくい。また、キュリー温度(強磁性体が常磁性体に転移する温度)が700~800℃と非常に高く、350℃程度の高温でも磁石として利用できる。硬度が高いため割れやすい、原料の産出量が少なく高価という欠点がある。モーターなどの回転機器や、スピーカー、イヤホン、電子レンジなどで利用される。