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ラジウム Ra

ラジウム(radium)

原子番号 88

m.p. 700℃   b.p. 1140℃

密度 5(g/cm3)

 

安定同位体は存在せず、天然には223Ra、224Ra、226Ra、228Raの4種類の放射性同位体が存在する。226Raの半減期は約1601年である。ウラン鉱石中に含まれる。炎色反応は洋紅色。白色のアルカリ土類金属で、空気に触れると容易に酸化されて黒色に変化する。化学的性質はバリウムに似る。水と反応し、水酸化物Ra(OH)を生じる。時計の夜光塗料などに利用されていた。また、放射線源として放射線治療に用いられていたが、現在ではより安価な60Coが用いられる。

 

ラジウムは1898年にフランスのCurie夫妻がウラン鉱石からポロニウムとともに発見した。Curie夫人は1910年に金属ラジウムを単離することに成功している。元素名はラテン語で「光線」という意味の"radius"にちなむ。Curie夫人はラジウムの放射線による被曝で白血病になり、亡くなった。また、夜光塗料としてラジウムを用いていたアメリカの時計工場では、工員が次々にがんになるなどの被害があった。