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ラドン Rn

ラドン(radon)

原子番号 86

m.p. -71℃   b.p. -61.8℃

密度 9.73(g/L)

 

単体は無色の気体。安定同位体は存在せず、すべて放射性同位体である。天然に存在するのは219Rn(アクチノン An)、220Rn(トロン Tn)、222Rn(狭義のラドン、ラジウムエマネーション)の3種類。1898年にキュリー夫妻がラジウム化合物に触れた空気が放射性になることに気づき、1900年にドイツの物理学者F. E. Dornがラジウムから発生するラドンを発見した。元素名はラジウム(radium)の語尾 -iumを -onに変えて命名された。貴ガスである。他の貴ガスに比べて水に溶けやすい。天然には温泉や地下水に溶けていることが知られている。ラドンが含まれる温泉では、微量な放射線は体にいいなどと謳われるが、科学的な根拠はない。