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アスタチン At

アスタチン(astatine)

原子番号 85

m.p. 302℃

 

単体は揮発性の固体。安定同位体は存在せず、すべて放射性同位体である。最も長寿命の同位体は210Atで、半減期は約8.3時間である。1940年にC. R. Corson(米)、E. R. Mackenzie(米)、E. Segrè(伊) の3人が、ビスマスにα線を照射することによって発見した。元素名はギリシア語で「不安定な」という意味の"astatos"にちなむ。それまでに見つかっていたハロゲンの命名に倣い、語尾は-ineとなった。化学的性質はヨウ素に似る。細胞を破壊する高エネルギーのα線を放出するため、211At(半減期は約7.2時間)を用いたがん治療の研究が行われている。