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ビスマス Bi

ビスマス(bismuth)

原子番号 83   原子量 208.98038

m.p. 271.3℃   b.p. 1610℃

密度 9.747(g/cm3)

 

単体は銀白色。蒼鉛ともよばれる。安定核種は209Biのみ。天然には単体もまれに産出するが、主に輝蒼鉛鉱Bi2S3やビスマス華Bi2O3などとして産出する。常温ではもろい。強力な反磁性体。凝固するときに体積が膨張する。1500年以前にはすでにその存在が知られていたが、スズや鉛、アンチモンなどとの区別はつかないでいた。

 

鉛やスズ、カドミウムとの合金は易融合金として、ヒューズや火災報知器などで利用される。また、原子炉の冷却材、高温超伝導材料、熱電変換素子、触媒などの用途もある。その他に医薬品としての利用が多く、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの治療薬や下痢止めとしての利用がある。腸の粘膜のタンパク質と結合して保護膜を作る作用や、下痢を引き起こす硫化水素と反応して硫化ビスマスとなる性質を利用している。