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カリウム K

カリウム(potassium)

原子番号 19   原子量 39.0983

m.p. 63.65℃   b.p. 774℃

密度 0.862(g/cm3)

 

単体は銀白色の金属。アルカリ金属。化合物としては古くから知られていたが、単体金属は1807年にイギリスの化学者H. Davyが水酸化カリウムKOHの融解電解を行うことで得られた。"potassium"という名称は「草木灰」を表す"potash"に由来する。また、ドイツなどでの名称"Kalium"はアラビア語で「アルカリ」を表す"qali"に由来する。元素記号のKもここから来ている。

 

化学的性質はナトリウムに似るが、よりかたく、より反応性は高い。常温の空気中で酸化されるため、石油中に保存する。水と激しく反応する。ハロゲンと反応し、ハロゲン化物となる。高温では水素とも反応する。アルコールとも反応する。天然にはカリ岩塩KClやカーナル石KCl・MgCl2・6H2Oなどとして産出する。植物の灰中にも比較的多く含まれている。炎色反応は赤紫色である。

 

生体必須元素であり、生体では細胞内の電解質の主成分。浸透圧調整や刺激伝導に重要な役割を果たす。肥料の三要素の一つでもある。硬質ガラスや火薬に用いられることもある。また、40Kは半減期が1.28×109年で、89%がβ崩壊により40Ca、11%が電子捕獲により40Arとなる。40K/40Arを測定することで年代測定ができる(カリウム-アルゴン年代測定法)。カリウムの超酸化物KOは二酸化炭素と反応して酸素を発生するため、酸素マスクとして利用される。ナトリウムとカリウムの合金は原子炉の冷却材として使われる。