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ストロンチウム Sr

ストロンチウム(sodium)

原子番号 38   原子量 87.62

m.p. 769℃   b.p. 1384℃

密度 2.54(g/cm3)

 

単体は銀白色のやわらかい金属。アルカリ土類金属。1790年にイギリスのC. A. Crawfordが、スコットランドで採取されたストロンチアン石がそれまで知られていた鉱石(バリウム化合物)とは違うことを確かめた。ただし、このときにはまだバリウムが認知されていなかった。ストロンチアン石の名前の由来は採石地のStrontianであり、ストロンチウムの名前の由来でもある。1808年にはイギリスのH. Davyが電気分解を利用してストロンチウムの単離に成功しており、これがストロンチウムの発見とされることもある。

 

化学的性質はカルシウムやバリウムに似る。空気中で表面に酸化被膜をつくる。水とは激しく反応し、水素を発生する。天然には天青石SrSO4やストロンチアン石SrCO3などとして産出する。炎色反応は深紅色。特殊合金や真空管のゲッター、花火の着色(赤色)に利用。核生成物の90Srは半減期27.7年でβ崩壊し、半減期64時間の90Yとなる。90Srは惑星探査機などの原子電池として利用されるが、体内に入るとカルシウムとともに骨に蓄積し、骨肉腫や白血病の原因となる。一方で、89Srは半減期が50.53日であり、医療用としてがんの骨転移の除痛などで利用される。