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ベリリウム Be

ベリリウム(beryllium)

原子番号 4   原子量 9.012182

m.p. 1282℃   b.p. 2970℃

密度 1.8477(g/cm3)

 

単体は銀白色の軽い金属。1798年にフランスのL. N. Vauquelinが緑柱石(ベリル)Al2Be3Si6O18の中に未知の元素が含まれていることを発表。化合物が甘みを持つことから、ギリシア語で「甘い」という意味の"glycys"にちなんで"glucinium"と命名した。この元素以外にも甘い金属化合物が存在することから、後に名称が変更された。"beryllium"はギリシア語で「緑柱石」を意味する"beryllos"からきている。単体金属は1828年、ドイツのF. Wöhlerによって得られた。

 

化学的性質はマグネシウム、アルミニウムに似る(対角関係)。かたく、融点が高い。空気中では表面に酸化被膜をつくり、安定。酸や塩基と反応して水素を発生する両性金属。毒性が強く、粉末を吸い込むと肺疾患を起こして死に至る場合もある。天然には緑柱石などに含まれる。中性子吸収断面積が小さく、散乱断面積が大きいため、原子炉の中性子減速材や反射材として利用される。X線をよく透過させるため、X線管の窓にも利用される。銅にベリリウムを数%混ぜたベリリウム銅は強度が銅の約6倍にもなり、電気伝導性は減少しない。このベリリウム銅は強力バネの材料などで利用される。ベリリウムはエメラルドやアクアマリンの成分でもある。