マグネシウム(magnesium)
原子番号 12 原子量 24.3050
m.p. 648.8℃ b.p. 1090℃
密度 1.738(g/cm3)
単体は銀白色の金属。古くから化合物は知られていたが、新しい元素として認識されたのは1755年。イギリスのJ. Blackはマグネシア石がそれまで知られていた鉱石(酸化カルシウム)とは異なることを見いだした。単体の金属は、1808年にイギリスのH. Davyが電気分解を利用することで得られた。元素名はマグネシア地方で採掘された鉱石、「マグネシア石」に由来する。
地殻中の存在量は豊富。展性、延性に富み、箔や針金となる。空気中では表面が酸化され、高温では閃光を放って激しく燃焼する。冷水とは反応しにくいが、熱水や酸とは反応して水素を発生する。二酸化炭素中でも燃焼し、炭素を遊離する。天然にはドロマイト(苦灰石)CaMg(CO3)2やマグネサイト(菱苦土石)MgCO3などとして産出する他、海水中にも1.29g/L含まれる。動植物にとって必須な元素の一つであり、植物では葉緑体中のクロロフィルの中心金属イオンとして存在。塩化マグネシウムMgCl2は豆腐を作るときのにがりの主成分でもある。アルミニウムなどとの合金は軽量で強度に優れるため、自動車や航空機などに利用される。かつてはカメラのフラッシュにも利用された。花火や携帯電話、ノートパソコンなどでも利用される。グリニャール試薬として多くの有機反応に利用される。