キセノン(xenon)
原子番号 54 原子量 131.293
m.p. -111.9℃ b.p. -107.1℃
密度 5.8971(g/L)
単体は無色無臭の気体。貴ガス。1898年にイギリスの化学者W. RamsayとM. W. Traversが液体空気中から発見した。空気中にわずかしか存在していないことから、ギリシア語で「見慣れない」という意味の"xenos"が元素名の由来となっている。麻酔作用や中性子を吸収する能力がある。化学的には安定だが、フッ素や酸素とは化合物を形成する。最初にキセノン化合物が報告されたのは1962年で、カナダのN. Bartlettが橙色の固体結晶ヘキサフルオロ白金(Ⅴ)酸キセノンXe[PtF6]を合成した。キセノンを封入した放電管は青白い光を放つため、キセノンランプとして利用される。小惑星探査機の「はやぶさ」や「はやぶさ2」に搭載されたイオンエンジンの推進剤にはキセノンが使われている。