臭素(bromine)
原子番号 35 原子量 79.904
m.p. -7.2℃ b.p. 58.78℃
密度 3.1226(g/cm3)
単体は赤褐色の重い液体。ハロゲン。1826年にフランスのA. J. Balardが発見した。元素名はギリシア語で「悪臭」を表す"bromos"に由来する。海水やかん水に含まれる。
常温で液体である唯一の非金属元素。塩素より反応性は低いが、刺激臭があり、猛毒。水には比較的溶けやすい。飽和水溶液は臭素水とよばれる。水素とは高温、または光により反応してHBrとなる。酸化剤や殺菌剤、医薬品、農薬、染料、難燃剤、写真の感光材などとして利用される。地中海産の貝から抽出される鮮やかな紫色の染料(チリアンパープル)は、臭素を含む化合物であり、ローマ時代には非常に高価な染料であった。