フッ素(fluorine)
原子番号 9 原子量 18.9984032
m.p. -219.62℃
b.p. -188.14℃
密度 1.696(g/L)
単体は淡黄色の気体。ハロゲン。フッ素の存在は16世紀頃から知られていたが、単体が得られたのは1886年。フランスのH. Moissanがフッ素の単離に成功した。彼はこの功績によりノーベル化学賞を受賞している。元素名はラテン語で「ホタル石」を表す"fluorite"に由来する。
最も軽いハロゲン。単体は特異臭をもつ。電気陰性度は全元素中で最大。きわめて酸化力が強く、ほとんどの元素とフッ化物をつくる。キセノンやクリプトンとも直接反応する。水とは激しく反応し、フッ化水素と酸素を生じる。安定同位体は19Fのみ。天然にはホタル石CaF2や氷晶石Na3[AlF6]として存在。核燃料に使うウラン235の濃度を高める際にはUF6が利用される。フッ素樹脂や防腐剤、虫歯の予防などでも利用される。フライパンの表面加工などに使われるテフロンは、ポリテトラフルオロエチレン[CF2-CF2]nの商標名で、耐熱性や耐薬品性に優れ、撥水効果が高いという特徴を持つ。