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セレン Se

セレン(selenium)

原子番号 34   原子量 78.96

m.p. 217℃   b.p. 684.9℃

密度 4.79(g/cm3)

 

複数の同素体が存在するが、常温で安定なのは金属セレン(灰色セレン)。この他に、赤色の単斜セレン、赤色無定形セレン、黒色ガラス質セレンなどがある。1817年、スウェーデンのJ. J. BerzeliusとJ. G. Gahnにより発見された。化学的性質がよく似ているテルルTeがラテン語で「地球」を表す"tellus"にちなんでいることから、ギリシア語で「月」を表す"selene"にちなんで命名された。天然には硫化物に伴ってわずかに産出する。工業的には銅の電解製錬の副生成物として得る。日本の生産量は世界一である(2016年)。空気中では青い炎をあげて燃え、酸化物SeO2になる。生体の必須元素であるが、摂取しすぎると毒性を示す。ガラスの脱色、着色剤、セレン光電池、整流素子、コピー機用の感光材料、写真の増感剤などで利用される。