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酸素 O

酸素(oxygen)

原子番号 8   原子量 15.9994

m.p. -218.4℃

b.p. -182.96℃

密度 1.429(g/L)

 

O2は無色無臭の気体。酸素は、イギリスの化学者J. PriestleyとC. W. Scheeleが同時期に、それぞれ独立に発見した。J. Priestleyは1775年に、C. W. Scheeleは1771年頃に発見した。その後1777年、フランスのA. L. Lavoisierが酸素の燃焼における役割を発見し、oxygenと命名した。これはギリシア語で「酸」を表す"oxys"と、「生じる」という意味の"genes"を組み合わせたものである。

 

空気中に約20.95%含まれ、水や酸化物としても多く存在している。工業的には液体空気の分留により得る。空気中の酸素は植物の光合成により生じた。常磁性。液体酸素は淡青色。化学的に活性で、多くの元素と化合物をつくる。生物の呼吸や物質の燃焼には欠かせない。酸素ボンベや酸水素炎、酸素アセチレン炎、ロケット燃料などで利用される。同素体にはオゾンO3がある。

 

 

オゾン(ozone) O3

融点-193℃、沸点-111.3℃。特異臭を持つ有毒の気体。微青色。反磁性。折れ線型の構造を持つ。酸素の無声放電により得られる。強い酸化力を持ち、常温で銀を酸化し、過酸化銀Ag2O2とする。消毒や漂白に利用される。オゾンは成層圏に比較的多く存在しており(大気中の90%)、オゾン層を形成している。これが生物に有害な紫外線を吸収している。近年オゾン層の破壊が大きな環境問題となっているが、フロンがその原因物質だと考えられている。