イットリウム(yttrium)
原子番号 39 原子量 88.90585
m.p. 1522℃ b.p. 3338℃
密度 4.47(g/cm3)
単体は銀白色の固体。希土類元素。1794年、フィンランドのJ. Gadolinがスコットランド近郊の村イッテルビー(Ytterby)で採掘された鉱石から酸化物を発見した。元素名は採石地Ytterbyにちなむ。
天然には、ガドリン石やモナズ石、ゼノタイムなどとして産出する。安定同位体は89Yのみ。酸化数は+3をとることが多い。空気中では容易に表面が酸化される。展性・延性に乏しい。熱水や酸に溶ける。イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)(アルミニウムとの酸化物)はレーザーの材料として利用される。また、イットリウム鉄ガーネット(YIG)は磁性材料や光学材料として利用される。ユーロピウムを添加した酸化イットリウムは、テレビのブラウン管の赤色蛍光体に利用されてきた。また、イットリウム、バリウム、銅、酸素の化合物は酸化物高温超伝導体として注目されている。