ニオブ(niobium)
原子番号 41 原子量 92.90638
m.p. 2468℃ b.p. 4742℃
密度 8.57(g/cm3)
単体は灰白色の固体。1801年、イギリスのC. Hatchettがコロンブ石から発見。コロンブ石にちなんでコロンビウム(columbium)と名付けた。しかし、1802年に発見されたタンタルと性質が類似していたため、長い間同一元素とみなされた。この混乱が解消されたのは1844年である。ドイツのH. Roseがコロンブ石からコロンビウムを分離、再発見した。タンタルと性質が似ていることから、タンタルの語源となったギリシア神話の王Tantalusの娘Niobeが元素名の由来となっている。
天然にはコロンブ石(Fe,Mn)(Nb,Ta)2O6などとして産出する。安定同位体は93Nbのみ。展性・延性に富む。空気中では酸化被膜をつくり、安定。フッ化水素酸以外の酸に不溶。酸化数は+5が安定。金属単体としては最も高温の9.2Kで超電導状態となる。耐熱合金材料や原子炉用材などに利用される。また、チタンやスズとの合金は超伝導材料として利用される。