クロム(chromium)
原子番号 24 原子量 51.9961
m.p. 1860℃ b.p. 2671℃
密度 7.19(g/cm3)
単体は銀白色の固体。1797年、フランスのL. N. Vauquelinによってシベリア産の紅鉛鉱から発見された。クロム化合物の色が多彩なことから、ギリシア語で「色」という意味の"chroma"にちなんで命名された。
天然にはクロム鉄鉱FeCr2O4や紅鉛鉱PbCrO4などとして産出する。空気中では酸化被膜をつくり安定。濃硝酸や王水には不動態をつくり、溶けない。酸化数は+3が安定。酸化数が+6のものは強い酸化力を持ち、毒性がある。ルビーの赤色やエメラルドの緑色は鉱石に含まれるCr3+によるものである。クロム化合物は顔料として利用される。また、耐食性に優れるため、めっきとして利用される。ステンレス鋼の重要な材料でもある。ニッケルとの合金であるニクロムは電熱器などの発熱体として利用される。