マンガン(manganese)
原子番号 25 原子量 54.938049
m.p. 1244℃ b.p. 1962℃
密度 7.44(g/cm3)
単体は銀白色の固体。1774年、スウェーデンのC. W. Scheeleが軟マンガン鉱中に存在することを発見。同年、友人であるJ. G. Gahnが金属を単離することに成功した。元素名はラテン語で「磁石」を意味する"magnes"に由来するとされる。
単体にはα、β、γ、δ型の四種類の同素体が存在する。室温ではα型が最も安定。天然には軟マンガン鉱MnO2、ハウスマン鉱Mn3O4などとして産出。海底には鉄との酸化物がマンガン団塊として広く存在している。鉄よりも固く、もろい。空気中では酸化被膜をつくり安定だが、粉末では酸素と反応、自然発火することもある。酸化数は+2~+7をとるが、+2が最も安定。酸化数が+7である過酸化マンガンイオンMnO4-は強力な酸化剤。鉄鋼業において、脱酸・脱硫剤として利用される。鉄との合金であるマンガン鋼の他、銅やアルミニウムなどとの合金も利用される。MnO2はマンガン乾電池などの電池に利用される。生体必須元素の一つでもある。