モリブデン(molybdenum)
原子番号 42 原子量 95.94
m.p. 2617℃ b.p. 4612℃
密度 10.22(g/cm3)
単体は銀白色の固体。1778年、スウェーデンのC. W. Scheeleが輝水鉛鉱から酸化物として分離した。元素名はギリシア語で「鉛」を意味する"molybdos"からきている。これは輝水鉛鉱が鉛の鉱物に似ていることによるものである。
天然には輝水鉛鉱MoS2などとして産出する。常温では酸化被膜をつくり安定。高温では酸化物MoO3となる。フッ素とは常温で反応、他のハロゲンとも高温で反応する。酸化数は+6が安定。生体必須元素の一つで、尿酸の生成や造血作用に関わっている。窒素固定細菌の酵素(ニトロゲナーゼ)中にも含まれる。炎色反応は黄緑色。モリブデンを添加したステンレス鋼は強度が増すため、航空機やロケットエンジンに利用される。