テクネチウム(technetium)
原子番号 43
m.p. 2172℃ b.p. 4877℃
単体は銀白色の固体。1937年、イタリアのC. perrieとE. Segreが、サイクロトロンでモリブデンに重陽子を衝突させることで合成した。元素名はギリシア語で「人工の」という意味の"technetos"にちなむ。
人工的につくられた最初の元素。安定同位体は存在しない。1906年には小川正孝がこの元素を発見したと報告、ニッポニウムと名付けたが、後にこれは当時未発見だったレニウムであったことが判明した。ウランの核分裂などで99Tc(半減期2.13×105年)は容易に回収できる。98Tcは半減期が約4.2×106年と長い。99mTcは半減期が約6.04時間と短く、γ線だけを放出するので、核医学診断(シンチグラム)などとして利用される。