ニッケル(nickel)
原子番号 28 原子量 58.6934
m.p. 1453℃ b.p. 2732℃
密度 8.902(g/cm3)
単体は銀白色の固体。1751年スウェーデンのA. F. Cronstedtが単離した。古くから赤色の銅鉱石(Cu2O)に似ているにもかかわらず銅が単離できない鉱物としてKupfernickel(NiAs)が知られていた。これは「悪魔の銅」を意味する。元素名はこの鉱物名きている。
天然には硫化物などとして産出する。展性・延性に富む。強磁性体。常温では空気や水に侵されにくい。微粉末は空気中で自然発火することもある。塩酸や希硝酸には溶けるが、濃硝酸には不動態を生じるため溶けない。金属アレルギーを引き起こしやすい。空気中で安定なため、めっきとして利用される。銅との合金は白銅と呼ばれ、50円硬貨や100円硬貨に使われている。また、チタンとの合金は形状記憶合金として利用される。ステンレス鋼やニクロムなどの合金にも利用される。この他に触媒やニッケルカドミウム電池、磁石などでの利用もある。