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銀 Ag

銀(silver)

原子番号 47   原子量 107.8682

m.p. 951.93℃   b.p. 2212℃

密度 10.500(g/cm3)

 

単体は銀白色の固体。古くから知られていた元素の一つ。紀元前3000年ごろのエジプトやメソポタミアの遺跡などからも発見されている。元素記号のAgはラテン語で「白く輝く」という意味を表す"argentum"からきている。日本でも古くから知られており、「白金(しろかね、しろがね)」と呼ばれた。

 

天然には硫化物として産出する他、自然銀として産出することもある。展性・延性は金に次いで大きく、1gの銀は1800m以上の線にすることができる。熱、電気の伝導性は金属元素中最大。空気中で加熱しても変化しないが、オゾンとは反応して黒色のAg2O2となる。硫黄と反応して黒色の硫化銀AgSとなる。ハロゲン化銀には感光性があり、光と反応して銀の粒子が遊離、黒色に変化する。硝酸や熱濃硫酸に可溶。酸化数は+1が安定。

 

かつては銀の食器を使えば毒物が入っているかどうかが分かるとされていた。これは毒物として使われていたヒ素に不純物として硫黄が含まれており、銀と反応して黒色の硫化銀Ag2Sとなるためである。また、銀のアクセサリーを身に着けたまま硫黄泉に入ると同様に黒くなってしまう。

 

古くから銀貨や装飾品、食器などとして利用されてきた。めっき材料や感光材料、電池、鏡、電気接点などでも利用される。銀イオンには強い殺菌作用があるあるため、抗菌剤としての利用も多い。