水素(hydrogen)
原子番号 1 原子量 1.00794
m.p. -259.14℃
b.p. -252.87℃
密度 0.08988(g/L)
無色無臭の気体。1766年にイギリスのH. Cavendishが酸と金属の反応で得られた水素を捕集し、燃焼させると水になることを発見した。元素名は1783年、A. L. Lavoisierにより名付けられた。ギリシア語で「水」という意味の"hydro"と「生じる」という意味の"genes"に由来している。
水をはじめ、多くの化合物の成分として広く存在。宇宙で最も存在する量が多い元素(質量で70.7%)。空気の14分の1程度の重さで、全元素中最も軽い。水を電気分解することで得られる。空気中では青白い炎を上げて燃え、水を生じる。水素と酸素の比が2:1の混合物は爆鳴気と呼ばれ、激しく燃焼する。酸化物の還元に利用される。質量数1の水素1Hは軽水素やプロチウム(protium)、質量数2の2Hは重水素やジュウテリウム(deuterium, 記号D)、質量数3の3Hは三重水素やトリチウム(tritium, 記号T)などと呼ばれ、区別される。3Hは放射性同位体で半減期は12.3年、β崩壊により3Heとなる。水素は燃焼させても水しか発生しないため、環境汚染が少ないエネルギー源として燃料電池などに利用される。油脂の水素添加、メタノール合成、アンモニア合成などにも利用される。液体水素はロケット燃料や低温実験用の冷却材として利用される。かつては飛行船などに用いられていたが、爆発の危険性から現在ではヘリウムが用いられる。